【山小屋2018】今年の小屋生活

去年の小屋が地獄だとするなら、今年の小屋は極楽浄土だ。
上山したのは6月。それからから今まで、仕事が忙しいからではなく毎日が楽しすぎて、ケータイやパソコンに向かうのが惜しいほどだった。
よほどの混雑でない限りは遊んだり勉強や昼寝をしたりする時間があるし、オーナーもスタッフもみんな普通の良い人だ。
去年は嫁姑問題や人間関係など、普通の小屋番の仕事が山積みのところにそれ以外のものが降りかかり、精神的にものすごく大変だった。
正直なところ、大変を通り越して意味が分からないこともたくさんあった。
だから今年は、こんな山小屋生活が許されるのかと思うほどに気楽で、去年を思えば拍子抜けしてしまう。
昨年は山小屋生活の初年度だったが、それが地獄で良かったと思う。
地獄の業火に存分に焼かれたからこそ、毎日自由な時間があり、笑顔の絶えないことがどれほど尊いことなのか、身に染みて分かる。


そんな恵まれた環境に感謝しつつ甘え切っており、去年の10分の1も仕事をしていない気がするし、そんなにガンガン張り切って仕事をしているスタッフもいないけれど、それでもも小屋はちゃんと回る。
それはひとえに、オーナーの懐の深さと、先頭に立って仕事を回している人の手腕によるものだと思う。
この小屋をまわしているのは、とても穏やかな人だ。
満館に近いほど客人が多いときでも、決してピリピリせず、声を荒げることもせず、毎日小屋の平和を守り続けている。
スタッフ一人ひとりの性格や好みを踏まえた上で、どうすれば全体最適となるのかしっかり考えてくれる。
なかなか誰にでもできることではないのに、それをさらりとやってしまうからとても尊敬している。
小さなことでつまらない気持ちになったりイライラしてしまったり、それが積み重なってだんだん辛くなったりしても、その人はちゃんと話を聞いてくれて気持ちが楽になる。
だめなことはちゃんとだめと言ってくれるし、誰の肩を持つわけでもなく、みんなの味方をしてくれる。
いつもフラットで、純粋にすごいと思う。

尊敬できる人のもとで毎日楽しく平和に生きていたら、今年の山小屋生活はいつの間にか折り返しを迎えていた。
そろそろ終わりを見据えて、この小屋で今年やりたいことを粛々とやっていかなくてはならないし、小屋締め後のことも考えなくてはならない。
明日が小屋締めの日だったら何を思うのだろう。
今シーズンやりたいと思っていたことは何だったっけ、冬に向けて何をしなければいけないんだっけ。
改めて思い返すと、仕事や勉強や日常の諸々のことに対して、もう少し真摯に向き合える気がする。
残り2カ月もない山小屋生活、ここに導いてくれた神様や仏様、目に見えないたくさんの巡り合わせに感謝しながら毎日大切に過ごしていきたい。