【山小屋2018】帰りたくない病

山小屋日誌

あぁ、帰りたくない。
本当に、帰りたくない。
下界に戻っていったい何をすればいいのだろう。
やりたいこと、やるべきこと、やらなきゃいけないことはたくさんあるけれど、何もしたくない。
ずっと山にいたい、山にいたいよぉ。
おりたくない、下界は嫌だ、せめて雪が降り積もるのを見届けたい、せっかくなら一本滑ってからがいい、結局おりたくない。

ぃやだぃやだぃやだ!!

いい大人が毎晩駄々をこね、厨房のお兄さんを困らせている。
どちらかというとお兄さんも下界におりたくないタイプ、うちの小屋で言うところの「帰りたくない病」(軽症)なので、そうだねそうだね、もう終わっちゃうね、あっという間だったね、と言ってくれる。
お兄さんありがとう。

オーナーは帰りたくない病(重症)で、さすがに駄々はこねないけれど、やらなきゃいけない小屋じめの準備が後手後手になっているご様子。

一方、バイトの面々には「帰りたい病」が蔓延していて、もう山の上はいいですオーラが漂っていたりする。
だから、数年目のスタッフはオーナーに見つからないように、こっそり隠れて小屋じめを進めている。
ちなみに見つかるとストップをかけられて文句を言われる。仕事してるのにね。

帰りたい病の人を前にすれば、何となく仮病をつかって帰りたい病に合わせるけれど、本当は極度の帰りたくない病だ。

帰りたくない、あぁ帰りたくない。
けれどそんなことも言っていられないので、キーボードを包み、ザックに色んなものを詰め込み、いよいよ帰り支度だ。

事務所を覗いてオーナーに「帰りたくないです」と言ったら、「あんた帰るところなんてないじゃない」と言われた。

確かに。家ないし。

その話をバイトのお兄さんにしたら「梅ちゃんは帰る場所はないかもしれないけど、行き先はあるよね」と言われた。

それもそうだ、確かに。

行き先がなくなったら、八方塞がりだ。お先真っ暗前途多難の予感。
でも少し先の未来には光が差しているので、そういう意味では問題なさそうだ。

でもやっぱり、ずっと山にいたいなぁと思う今日この頃。

小屋じめの日がせまる。