【山小屋2019】上山の日

山小屋日誌

待ちに待った小屋開けがせまる。

今年はちょうど小屋開け前日から同じ山域に行こうと友人が誘ってくれたので、近くのテン場で一泊してから小屋に向かうことにした。
朝、テン場に向かう道中でふとケータイを見たら、ボスからメールが来ていた。
「貴女、いまどこにいるの?ワシ、下界の仕事が終わらなくて、みんなの入山を1日延ばすかも」
あ、そうか、じゃあ友達帰るまで一緒にいられるやった〜!と思ってルンルン。

テン場に到着して設営、晩ごはんの鍋をいただいた。

友人はご来光を撮りたいから夜中から行動開始するね!とソワソワ。
早めに就寝して、ご来光に備えることに。

起床して準備を調え出発。
平成最後の満月がとても明るい夜だった。
途中で小屋の前を通りかかったとき「ただいま」と自然に言葉が漏れた。
もちろん自分の家ではないのだけれど、帰ることのできるとても大切な場所。
歩くこと3時間弱だろうか、山頂に到着した。
ご来光にはほんの少し間に合わなかったけれど、朝日を浴びて輝く山々がそこにはあった。
何度も見た景色なのに、いつより美しく見えた。
「戻って参りました。今年もよろしくお願いします」
心新たに、平和な年を祈った。
この小屋で働けることになったのは、山の神様に導いてもらったんだと思う。

朝8時頃まで山頂で過ごしたあと、私はスキーで、友人は歩いてテン場へ。
ひと足先にテン場に戻り、荷物をまとめ、再び荷物をデポするために小屋に向かった。
ちなみにデポしたのは服とパソコン。
誰にも分からなさそうな人目につかない場所にこっそり埋めて、再度テン場に戻った。

そのあと友人と合流してご飯を食べて、ふとケータイを見たらボスからメールが。
「本日、決行いたします」
!?
メールが届いていたのは朝7時30分ごろ。
ケータイは節電のため機内モードにしていた。

まじかぁぁぁあー!!!

うーむ、こうなったら聞いてみよう。
「どうしても今日行かなきゃだめですか?」

こうして私は、晴天のテン場で友人とまったり昼寝をするという贅沢を手に入れた。

きっと今シーズンも、ボスの突然のお知らせに振り回されるんだろうな。

夕方、夕日を見に近くの丘の上へ。
こんなきれいなところに、これから秋までずっといるのか…
そんなことをしみじみ思った。

翌朝もまだ暗いうちから行動開始。
2時間弱登ったけれど、東の低いところに厚い雲があるようで、きれいに赤くは焼けなかった。
ライチョウを探して写真を撮りながら、テン場に戻る。
ご飯を食べ、荷物をまとめ、撤収!
友人をそこらまで見送って、私はそのまま小屋に出勤した。

小屋につくと、ボスが玄関先の雪かきをしていた。
「お久しぶりです〜!」と言ったら
「はい久しぶりぃ」といつもの調子で返事が返ってきてほっとした。
小屋の中にみんなの姿はなく、ボスにみんなはどこへ…?と聞いたら、そっちで除雪してるとのこと。

「あんた邪魔になるんじゃないのぉ?」と言われつつ、小屋の発掘作業に合流。
みんな元気そうで何よりだった。
ひたすら雪かき。

雪かきは好きだから、ペースをあげなければ延々とやっていられる。

夕方、作業が終わったあとでストーブにあたりながら一杯 。
本当はここに調味料がずらりと並ぶんだけど、まだお酒と不凍液しかなくてちょっと面白かった。

晩ご飯はお刺身。
久しぶりにみんなと食卓を囲んだら、いよいよ帰ってきたな、シーズン始まるな、と温かい前向きな気持ちになった。

いよいよ山小屋生活がはじまる。