【小屋番の山歩き】大天井岳編(1日目)

Blog
大天井岳編

2019年9月25、26日 一の沢から常念経由、大天井岳ピストンの記。

写真は撮って出しですが、無断転載はしないでくださいね。

<大まかなCT>

1日目

  • 6:40 一の沢駐車場出発
  • 9:45 常念乗越着
  • 12:50 大天荘着
  • 13:00 大天井岳登頂
  • 14:00 大天井ヒュッテ着

2日目

  • 5:00 牛首展望台に散歩
  • 7:00 大天井ヒュッテ出発
  • 10:00 常念小屋着 知人とおしゃべり
  • 11:30 常念岳登頂
  • 12:50 常念乗越
  • 15:50 一の沢駐車場着

あぁ、また寝坊をしてしまった。

私の山歩きは、寝坊から始まることが多い。

明日、楽しみだな~と思ってニヤニヤしながら寝た翌朝は、だいたい寝坊する。

今日は先輩に会うための山行なのに。

しかも先輩はすごく真面目でちゃんとした人だから、ちょっとでも遅くたどり着こうものなら説教されるに決まっている。

そりゃそうだ。山小屋には早くたどり着かなくちゃいけないんだもの。

というわけで、黙々と必死で歩く以外の選択肢はなくなったのだった。

これは一の沢の登山口のトイレにある看板なんだけど、「飲める、飲めない」ではなくて事実しか書いてないところがすごく気に入ったので思わず撮影。

「滅菌処理はされていません。=飲もうと思ったら飲めるけど、おなか壊しても知らんよ」

この割り切った感じがすばらしい。

さて、6:56登山開始。

悠長に写真などとっている場合ではないので、記録写真という感じでポイントを撮りながら進む。

天候はこんな感じで曇り、時々太陽が顔をのぞかせてくれる。

すごく急いでいたけれど、こういう道端の植物とかキノコとかは思わずパシャリ。だが、急いでいたのでピントが甘すぎる。

7:40、310m登るのに45分くらいなのでいいペース。

ちなみに私の感覚は1時間で300mくらい標高を上げられたらいいんじゃない?という感じ。

山に登るときはだいたい考え事をしていたり、葉っぱを探して写真を撮っていることが多いので基本はゆっくりペース。

植物

普段森林限界より上に住んでるとさ、こういう沢とか緑の木々とかたまらなく素敵に目に映るのよ。

きっと都会に住んでいる人が、久しぶりに山に入るといろんな景色が素敵に見えるのと同じだと思う。

8:18、笠原沢に到着。

ガスってるなぁ・・・でも、あまりにも視界がいいと早く歩けないのでちょうどいい。

そしてこのくらいの方が、何となく幻想的で好き。

コケと木と水滴。

葉っぱやコケやキノコはだいたいこういう鬱蒼とした湿っぽいところにあるんだけど、私が住んでいるのはカラっとした日当たりのよい稜線なのでなかなか会えなくてさみしい。

山の中で橋を見ると、拝みたくなるのですよ。

そこまで資材をあげるのも大変だし、作業現場に行くまでも時間がかかるし、嵐が来たら流されてしまうのでまた架けないといけない。

橋に限らず登山道もそうだけど、山伏でも仙人でも猟師でもない普通の人が普通に山を歩ける状態になっているということは奇跡なんです。感謝感謝。

岩と水の流れとコケっていうのは、山の恵みって感じがする。

働いている小屋の周りじゃあまり見ないけれど、もうトリカブトが咲く時期なんだなぁ。

小屋でよっぽど嫌なことがあると、そやつにトリカブト飲ませてやろうかなって思うの。

でも小屋から1時間くらい歩かないと入手できないので、今のところまだ誰にも飲ませてないです。

たぶん1時間歩いているうちに思い直すよ、毒を盛るのはよくないって。

逆に、毒を盛られるって考えたときにも、その1時間があるっていうのは心を落ち着かせてもらう大切な時間だと思うので、とりあえず小屋の近くにトリカブトが生えてなくてよかった。

生えてたらもう殺されてるかもしれない。

そんなこんなで8:48。胸突き八丁までやってきた。自分でも驚くほどいいペース。

先輩にお説教されたくないし、つまらない説教を「させたくない」という気持ちが肉体を凌駕している。

やや大げさにとった胸突八丁。

ちょっと急な階段という印象。

たぶんオニアザミと、可憐なアザミ。

オニのグロテスクな程のトゲトゲしさはたまらなく好き。握って悶絶したい。

登山道はいったんフラットになり、沢の音を聞きつつ歩く。

この植物の名前をいつも忘れるんだけど、オオカメノキだっけ?適当なこと言うんじゃないよ、と自分にツッコミながら進む。(けど、やっぱりオオカメノキであってた)

岩と水とコケ。

カメラを持って山や森を歩くと、好きなものを撮った写真がどんどん増えていく。

カメラを持つ前は、自分自身の好きなものが何なのかよくわかっていなかった気がする。

カメラを向けたものが好きなものなんだろうなと思う。

LASTWATER!!!!!

ちょっとコレ素敵すぎませんか。

最終水場をLASTWATERにするのか!という感嘆。

正しいのか正しくないのかではなく、翻訳上、伝えようとする気持ちが伝わってきてすごくいい。

小屋にかえってからお兄さんに見せたら「これナメコだろう!なんで収穫してこなかったんだよ!!」となぜか叱られた。

LASTWATERから第一ベンチ、キノコ、第二ベンチ、キノコ、第三ベンチときて、常念乗越到着。

時刻は9:45。登り始めたのが6:56。所要時間2時間41分。

コースタイムは4時間35・・・だいぶ頑張った。

よし、もう好きに写真撮りながら楽しく稜線歩きしよう。

この先は、「わーい♪」っていいながら歩いたんだなって思ってもらえたら結構です笑

ちょうどガスが晴れてくる
産毛がたまらない感じの葉っぱ
常念乗越は、雲も乗越ていくところらしい
槍と槍ヶ岳山荘。天下の山小屋だと勝手に思っている。
左側から、涸沢カールと奥穂と北穂。よく見ると小屋も見える。
大天井岳、あっち。槍穂きれいだなぁ・・・
葉脈と絶妙に色づいた様がたまらない。
青空の山歩きは、どうしてこんなにわくわくするんだろう。
無限に歩ける気持ちになる。
そうこうしているうちに、大天荘まであと1km
草むらからこちらを見ているホシガラス

んー槍穂の眺めは素晴らしいけど、よく見えすぎだなぁ~と思ったところでガスがかかってきたり。

山の神様、これは何のご褒美ですか?と問うてしまった。

そんなことをやっているうちに、大天荘に到着。

とりあえず大天井岳の山頂へ向かう。

丁寧に隈取りされた〇印
燕方面と、大好きな黒部ダムのあたり。ため息がでる。
そしてたどり着いた大天井岳山頂。よいガスり具合です。
これはもはや、天空の城「燕山荘」というべき。
戻ってきて分岐。大天井ヒュッテまであと30分、今日の目的地。
ここ雪がついてスキーで滑ったら最高に気持ちよさそう。
秋の装い
分岐を下ったら少しトラバース。
この道はどっちの小屋の管轄なのかな?先輩がかけたはしごなのかな?
いよいよ大天井ヒュッテの屋根が見えて一安心。

時刻は14時ちょっと前だった。

とにかく先輩に説教されるのを免れてよかった。

小屋についてからは本当にゆっくりさせてもらって、15時のお茶をご一緒させていただき、特に手伝いはいいから~ということでゴロゴロさせてもらい、晩御飯もご一緒させてもらって、消灯より少し遅い時間まで酒盛りをしていた。

やっぱりどこの小屋も、いろんな意味で同じなんだな~

たくさんお喋りをしながらそう思った。

いろんな意味っていうのはご想像にお任せしたいところだけど、平たく言うと尽きない人間関係の話や困ったお客さんの話やそのほか諸々のことだ。

寝坊から始まった一日は、夜更かしで終わった。

2日目へ続く。